偉人の自己選択とは?
世に偉人と名のつく人は、皆さんある共通点をもっています。
それは、自分で決断をして行動をしたということです。そして、見事今まで人類が成し遂げたことのない大業を成し遂げ、歴史に名を刻んだのです。この決断は何によってもたらされたのでしょうか。その人の生まれた環境でしょうか。それとも、生きてきた時代でしょうか。はたまた、血筋でしょうか。そんな歴史を紐解くことで、我々の自己選択の一助になればと思い調べてみました。
第一回目は…!
記念すべき第一回目は、この人ウォレス・ハートリーさんです。
ピンと来ない方のほうが多そうですが、映画好きなら存じかもしれません。
この方は、タイタニック号が沈みゆく最中、乗客が落ち着いて救命ボートに乗って避難できるように最後まで演奏を続けていた音楽隊の一人です。
ウォレス・ハートリーさんは、その音楽隊の中でもリーダー的存在でした。
映画では4名で演奏されていましたが、実際のタイタニック号では8名の方が音楽を演奏し、彼ら全員が船とその運命をともにしております。
ウォレスさんは、タイタニック号出航の直前に婚約をしており、婚約後すぐに婚約者の方と離れてしまうため、一時期はタイタニック号の乗船を悩んでおりましたが、将来のキャリアを考えついに乗船を決意します。
その後の顛末は先ほどお話したとおり、ウォレスさんを含む音楽隊全員は、自らの命よりも周囲の人の命を優先し、そして最後まで音楽を演奏することを選びました。
ウォレスさんは生還はできませんでしたが、その遺体にバイオリンが結び付けられて発見されています。
それは婚約者からウォレスさんに婚約を記念に贈られた、かけがえのないバイオリンでした。婚約者のマリア・ロビンソンさんは、その後生涯独身を貫いたそうです。
なぜ自分の命をかけられたのか?
さて、このときウォレスさんをはじめ、なぜ音楽隊のみなさんが自分の命を賭けてまで音楽を最後まで演奏をしたのかは、正確にはわかりません。
彼ら以外にも、タイタニックでは自分の命よりも他の人の命を優先する人たちがたくさんいたようです。たとえばベンジャミン・グッゲンハイムさん。
彼は同乗していたメイドを救命ボートにのせ、客室係の男性にこう告げたと言います。「もし私も秘書も死んで君が助かったら、妻に最期まで立派だったと伝えてほしい。ベン・グッゲンハイムが臆病なために船に残される女性があってはならない」
研究者によると、イギリス人の生存率はアメリカ人の生存率よりも10%低かったそうです。これは当時、イギリス人は社会のしきたりに対する忠義に固く、勇敢に歯を食いしばるのが普通だったためだと指摘しております。
時代背景があったにせよ、それを無視して生き延びた人もいるはずです。自身の命を捨ててまでも守りたいと思ったものを最後まで守り抜いた彼らの選択に敬意を表すると、涙なくしては語れません。
あなたはどんな選択をしますか?
あなたの心にこの話で届けられれば嬉しいです。