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年功序列制度とは?
自らの道を自らが選択すことを自己選択と言いますが、日本人が自己選択を行うことを避けてしまう理由の一つに、年功序列の賃金体系があります。説明は不要かと思いますが、一言添えておくと、「勤続年数や年齢の要素を基に、雇用者の役職や給与などを決めていく社内の制度のこと」を指します。
会社に長く勤めた人がいい賃金をもらい、勤続年数が短い人は、例え目覚ましい成績を挙げたとしても、給与は普通の成績の人とほぼ一緒、となる制度です。年功序列制度は一見すると理にかなっていると思います。個人のスキルや会社への貢献度は、数値化しにくい上に、和を重んじる日本社会ではなかなか表しにくいものでした。(口に出してスキルがない!っていうと喧嘩になりそうですもんね)その点、勤続年数や年齢は、個人の能力を数値化するためにわかりやすく当たり障りのない数字です。また、長く勤務し相当な経験を積んでいけば、自ずと経験やスキルは蓄積されていくとものと考えられ、その結果、会社に対する貢献度は年齢に比例しても高くなるという仮定のもと、年功序列制度は確立されました。つまり、年功序列制度は、スキルや行動考課への点数をつけるのではなく、誰もがわかりやすく明確な年齢に点数をつけている、ということです。こう考えるとますますよくわからない仕組みですね・・・
自己選択を後回しにしてしまうのはなぜ?
さて、年功序列制について長々と語ってしまいましたが、年功序列制度は、なぜ自己選択の機会を鈍らせるのでしょうか?
それは、「この会社で頑張っていけば、いつか自分が報われるのではないか?」という疑念を抱かせるからです。
まず、自己選択を行っていないと、自己選択をする機会をのものが少なくなります。なれていないことを自分ですることは苦痛が伴います。加えて、製造業などの年功序列企業の最たる企業は、年功序列制度への疑念がありません。
結果、当初抱いていた疑問は、苦痛から逃れたい気持ちと周囲の同調圧力により、次第に考えなくなるようになります。
そして「みんなこの企業で頑張っている。私も頑張ればあの人たちのようにお金をもらえるようになるから頑張ってみよう!」という、自己選択とは真逆の、「自己暗示」をしてしまうのです。
年功序列制神話の疑念
自己暗示をするときに自分に言い聞かせる言い訳は、大きく以下の3つです。
1.会社に長くいればスキルが上がる
2.会社に長くいれば、会社側がスキルをあげてくれる仕事をさせてくれる。
3.いつか会社が自分に報いてくれる。
いつか自分に言い聞かせたことはありませんか。私も今までこのようなことを言い聞かせて、自分に言い訳をしていました。しかし、冷静に考えると、これらが幻想で会ったことがわかります。順に説明していきましょう。
会社に長くいればスキルが上がるのか?
1点目が、会社に長くいれば、スキルが上がるのか?ということです。スキルが身につけば、会社の仕事をうまくこなせるという観点で考えてみましょう。
確かに、入社1年目の社員と5年目の社員では、仕事の回し方は異なるでしょう。お客さんへのアポイントの取り方から、会議の回し方、仕事のクローズドの仕方。おそらく5年目社員の方が、全てに置いて上回るでしょう。
では10年目と5年目では、どうでしょう。20年目と10年目は?
答えに困る人もいるのではないでしょうか?あなたの頭に浮かんだのは、非常に優秀な10年目の方と、うだつの上がらない20年目の方だったりしませんでしたか?
私が何が言いたいのかというと、「成長するもしないのもその人次第だ」ということです。どんな逆境があろうとも強く立ち向かい、仕事を達成してきた方と大禍なく過ごしてきた20年目の方とでは、くぐってきた修羅場の数が違います。
また、それらの仕事から何を学び次に生かすかは、結局その人次第なのです。
だからこそ、会社に長くいれば、スキルが身に付くと思った方は要注意です。スキルは自分で身につけるものです。時間はスキルを身につける手助けをしてくれるかもしれませんが、主体的にならなければ会社に長くいて身につけられるスキルなどありません。
会社に長くいれば、会社側がスキルをあげてくれる仕事をさせてくれる
では、2つ目のこちらはどうでしょう。
会社に長くいれば、会社が環境を作り出して、自らのスキルをあげてくれるような機会を創出してくれるのではないか?
確かに、一昔前より会社の研修制度は整い会社で学べることは多くなりました。しかし、会社はあなたのスキルを上げるために存在しているのではありません。会社は組織で動いております。個人のこのスキルを上げるために、この仕事を渡そうとは考えません。確実に仕事を取るために、重要な仕事では仕事ができる人をアサインするのです。
そうなると優秀な人に仕事が集中するじゃないか!と思われた方もいるかもしれないのですが、忙しい局面だと重要な案件が何個も重なり、優秀な人をアサインすることができなくなる可能性があるのです。その際には、2番手、3番手の出番です。(若手は例外でですね)
しかし、ここで気づいて欲しいのことは、その時に2番手にいなければ重要な仕事を手に入れられるないのです。チャンスがないわけではありません。2番手として仕事をいつでも得られるように、チャンスが来ることを見越してスキルを磨いておかなければいけないのです。
しかし、いつか報われると思っている人は自身で必要なスキルを磨き準備を怠ってしまうのは、前述の通り。
結局、長くいればどうになると思っていると会社がくれる機会すらも棒に振ってしまうのです。
いつか会社が報いてくれる
長く会社にいれば会社が報いてくれる、はどんなイメージでしょうか。
確かに長く在籍すると、何年後とかに特別休暇をもらえたりするので、ある程度報いてくれる仕組みはあるかもしれません。
ボーナスが出る会社ところもあるみたいですね。しかし、長くいたことの報酬は、有給とボーナスをもらうことなのでしょうか。あなたは何のために会社に入ったのでしょう。叶えたい理想や夢があったからこそ、その手段として会社に入社したのではないでしょうか?
また、会社に希望を出せばいつか叶うと思っていらっしゃる方もいるかもしれません。
そのケースも考えられますが、2でもお伝えした通り、会社は組織の目標のために一番適している方を仕事にアサインします。
その際にあなたが組織にアサインされる可能性はどれくらいあるでしょうか?1番だという自負はおありですか?
その自信がないのにも関わらず、いつか会社が自分に報いてくれるという考えは、あまりにも楽観的すぎると思います(まさしく過去の自分です・・・)そして、会社がいつか報いてくれると「自己暗示」される方は、スキルを磨かず、スキルを上げるような仕事をつくことができず、結果1番になれないので、希望の職が回ってこないという、負のスパイラルに入ってしまうのです。
年功序列制度は我々を守ってくれない
ここまでくるとわかった通り、年功序列制度は我々を助けてくれないのです。
むしろ、我々の努力や主体性を阻害する悪の根源にも見えます。「神は自ら助くるものを助く」のです。
急流の流れにただ流れるだけの葉っぱは、助けようがないのです。
今流されないと自己選択を決意されたなら、私と一緒に自己選択していきましょう!!